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2009年11月21日 (土)

中国を仮想敵国とすると役に立たない米沖縄基地の必要性の謎

 海兵隊は、戦争が起こりそうな地域での恒久駐留が必要な軍隊ではない上に、軍人の生活上の利便性を考えれば、米本土に置くのが最良であり、この考え方に反する沖縄に駐留する海兵隊の存在理由は、地政学上からくるものではなく、日本に金を出してもらえて、米国にいるよりも安上がりだからだと言われている。

日本の官僚支配と沖縄米軍
 田中 宇 2009年11月15日
▼海兵隊は米本土駐留が最適なのに

 普天間基地を拠点とする米軍の海兵隊は「第3海兵遠征軍」である。米軍海兵隊は3つの遠征軍で構成され、第1と第2は米本土に本拠地がある。第3遠征軍は米国外に本拠地を持つ唯一の遠征軍であり、1988年に正式に沖縄(うるま市のキャンプ・コートニー)に司令部が置かれた。すでに書いたように、日本駐留の海兵隊は沖縄返還直前(71年)から沖縄にいたが、正式に沖縄駐留となったのは88年である。この88年の正式化も、日本政府からの駐留費負担を急増してもらうことになったため、米側が形式を整えたのだろう。(III Marine Expeditionary Force From Wikipedia

 海兵隊は、戦争が起こりそうな地域での恒久駐留が必要な軍隊ではない。軍人の生活上の利便性を考えれば、米本土に置くのが最良である。60-70年代のベトナム戦争、91年の湾岸戦争、03年のイラク侵攻のように、米国の方から戦争を仕掛ける場合には、米軍は何カ月も前から準備できるので、海兵隊を米本土から前線に送り出す時間は十分にある。

 50年の朝鮮戦争のように他国から同盟国が侵略された場合は、まずはその国の軍隊が応戦し、米軍は空軍戦闘機で援護し、その間に海兵隊を前線に空輸し、敵国によって占領されている地域に反攻的な急襲をかける。日本が他国から地上軍で侵攻された場合は、まず自衛隊が応戦する。そのために、北海道や九州に陸上自衛隊が常駐している。そもそも、米国は世界中に諜報網を張りめぐらせているので、同盟国が攻撃される数カ月前に予兆を察知できる。米国は、ある日突然侵攻される状況になり得ない(わざと気づかないふりをして敵方の侵攻を誘発することは度々あるが)。

 このように考えると、海兵隊は日本国内に常駐する必要は全くない。特に、冷戦後はそうである。だから、沖縄の海兵隊は80年代に米本土に撤退を開始し、普天間基地を日本側に返還するつもりだったのだろう。それを日本が引き留め、駐留費を出して買収し、沖縄に駐留し続けてもらっている。海兵隊は、日本に金を出してもらえて、米国にいるよりも安上がりなので、沖縄にいるだけだ。

「地政学上の理由から、基地は沖縄になければならない」と「解説」する人がよくいるが、間違いである。米軍の現在の技術力からすれば、中国を仮想敵とみなす場合でも、沖縄に必要なのは、有事の際に使える港と滑走路だけであり、軍隊が常駐している必要はない(実際、米軍は冷戦後、沖縄本島より下地島の空港を有事利用したがった)。米国はここ数年、中国を戦略的パートナーとみなす傾向を強め、日本以上に中国を重視している。日本も、中国との東アジア共同体を作る方向に進んでいる。もはや中国は日米の敵ではない。これは地政学的な大転換であるが、米軍の沖縄駐留は必須だという人ほど、この地政学的な変動を全くふまえずに(意識的に無視して)語っている。茶番である。(アメリカのアジア支配と沖縄

 軍事専門家によれば、中国を仮想敵とみなす場合でも、必要なのは海兵隊ではなく、米空軍、米海軍、米陸軍とのこと。朝鮮半島有事の際にのみ、沖縄の海兵隊が役に立つ。

メールにお返事
日本軍事情報センター 2009年11月6日
いつも書いていますが、北朝鮮という国が消えて、朝鮮半島に南北統一国家が誕生すれば、沖縄の米海兵隊は全面撤退をすることは間違いありません。対中国戦略で海兵隊を沖縄に配備する理由がないからです。アメリカで対中国戦略を担当するのは米空軍や米海軍と米陸軍です。海兵隊ではありません。

北朝鮮がいなくなれば、在沖海兵隊は日本が頼まなくとも沖縄から撤退します。そうしなければアメリカが米軍再編をする意味がないのです。米軍の前方展開戦略の全面見直しです。 

 それが日本の基地利権で歪められたのが今回の混迷の原因です。そのことは守屋元防衛事務次官や沖縄選出の元自民党議員がよく知っていると思います。

 以上のことから、次の二つの主張に賛成である。

オバマの中国訪問の政治的意味について。
 山崎行太郎の政治ブログ 『毒蛇山荘日記』2009-11-19
オバマが、表面的には日本を軽視しているかに見せて、天皇の前に出るや、「臣下」のごとく頭を深々と下げた意味は小さくない。アメリカの保守派マスコミが、オバマの「土下座」に等しいような頭の下げ方を「屈辱的」だと騒いでいるようだが、当然と言えば当然の話だ。岡田や鳩山は、いたずらに、わが国に対するアメリカの恫喝外交に怯えるべきではない。沖縄基地移転問題は、最終的な決着は別としても、少なくとも「ヤンキー・ゴー・ホーム」の心構えで対処すべきだろう。

アメリカは中国とガッチリ手を握る
 nikaidou.com 2009年11月11日
 ほら、アメリカは中国とガッチリ手を握りますよ。

 日米安保破棄、独自防衛の道を歩むべきだよなぁ。自衛隊は全員警察官にして、「文民警察官が戦闘機に乗る」とか、「文民警察官が動かすイージス艦」とかにすればいいんだ。それで、有事の際は総理大臣の非常命令(国会認可必要なし)で、逆に今度は警察も含めてすべて総理大臣の指揮に入り、元々自衛隊だった部隊が警察軍として指揮権を持てばいいんだ。

 普段は警察、有事は旧自衛隊が指揮権・・・というふうにするしかないだろう。そして武器輸出を解禁し、ちゃんと軍事産業も儲かるようにしてあげればいい。素人はとかく、「武器輸出→死の商人、ミサイル大変!ヘイワ!ヘイワ!」とバカみたいに考えるが、ミサイルなんて東芝だって作ってるし、武器輸出と言っても日本の主流はコンピューターを含めた制御装置にすればいい。カンタンに言えば、観測機とかレーダーとか。そうすれば日本でも武器調達ができるし、海外から高い武器を買わなくてよくなる。結局、コスト安になる。

 日本の安全保障をいつまでもアメリカ頼りにしているところが一番の問題だ。沖縄だって基地がない方がいいとかデモをするけど、下っ端でプラカード持ってる「使われているサヨクかぶれのバカ」はともかく、沖縄の知事以下、左翼系のトップも考えていることは「ゴネれば補助金などを高く取れる→利権」と思っているだけである。本当に基地が無くなったら、産業はなくなるわ補助金は出ないわで大変なことになるのだから。

 話がそれたが、日本の防衛というものを真剣に考えた方がいい。とかくその辺のサヨクかぶれのバカは「イージス艦を作る金と運用費が無駄」などというが、日本がきちんと武器輸出をすれば日本は儲かる(自衛隊はその武器のプロモーションをやるものだと思えばいいわけだ)し、他国への牽制となる。自衛隊と言えばすぐ戦争だの鼻毛だの考える単純バカが多くて困る。これが東大出ててもそう考える奴が多いんだもんな。日本の教育レベルは相当低いよ。総理大臣に東大卒はいないのがよくわかるよ(旧帝大除く)。

 ここで、「日米安保破棄」という一見過激そうな意見も有りかなと思う理由は、米国債をいくら買い続けても「日米安保条約」を盾に、売却できない上、そのお金が他国への侵略戦争に使われるからである。

・日本を支配するアメリカ権力構造の実像
 アメリカに食い尽くされる日本―小泉政治の粉飾決算を暴く p72
アメリカのドル安は日本に米国債を買わせる狙い

森田 アメリカがドル安に誘導する狙いの一つは、日本政府に、ドルを買わせ、そのドルで米国債を買うよう催促することです。アメリカにとって、国債を買ってもらうことは、実質は借金です。

 しかし、アメリカは、その借金は日本に返さなくていいと考えています。日米安保条約があるからです。
日米が同盟国だからです。したがって、日本の富はアメリカに搾り取られるように「吸引」されているのが現実です。
 
 その金でアメリカは戦争をやっているのですが、今やそれでも追いつかないのです。戦費の見通しが立っていません。私は、そろそろ限界にきていると見ています。アフガニスタンで戦争を始めてもうすぐ5年です。イラクも実際には平和回復のメドも立っていません。アメリカ政府の財政危機は限界に近づいています。
 
 今でもアメリカに従順な国は、日本とオーストラリアとイギリス程度になりました。しかし、イギリスにもオーストラリアにも金はありません。金があるのは日本だけですが、日本も限界に近づいています。結局のところ、アメリカは、戦費でつまづくと思います。
 
 小泉首相はブッシュ大統領にあまりにも忠実でした。しかし、日本も、もはや限界です。アメリカに対しては湯水のごとく金を貢ぎ、日本国民から収奪し続けると言う自公政権のやり方は、もう限界に近づいています。日本国民が気がついたらオシマイになります。
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 また、高坂正尭氏が述べているような、安全保障を得るためにアメリカと協力することによって自国の立場を主張するのを忘れてしまったことによる国民の活力の消失が起こっているからである。

・吉田茂以後
 宰相吉田茂 p92
自国の安全保障のためにアメリカと協力していても、自国の立場をアメリカに対して主張することは可能なことであった。しかしもし、安全保障を得るためにアメリカと協力することによって、自国の立場を主張するのを忘れてしまったらどうなるであろうか。とくに、それによって国民の中に依存感が生まれたらどうなるであろうか。その場合には日本の活力が弱まったり、失われたりすることになってしまうにちがいない。国民の活力はその誇りと結びついているが、国民の誇りは他国に依存する場合失われるものだからである。
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 ただ、日米同盟を破棄するとデメリットも生じる。それは、北朝鮮、ロシア、中国といった第三国の脅威から日本を守れなくなるということではなく、イラクと同じようにでっち上げによってアメリカから戦争を売られる可能性が増すことである(70年周期説~週刊アカシックレコード090108)。このデメリットを勘案すると佐藤優氏の主張する「日米同盟にロシアを加える地政学主義」が最善の策かもしれない。

・劣化し、暴走を始めた日本の行方
 暴走する国家 恐慌化する世界 p248
日米同盟にロシアを加える「地政学主義」こそ正しい日本の選択

国際政治から見た日本の3つの選択-「新米主義」「アジア主義」「地政学主義」

佐藤 ところで国際政治のほうから見たとき、これまでの日本には3つの選択がありました。

1番目は、「新米主義」です。これは単なる親米と異なり、主義にまでなっているものです。要するにアメリカの言うことならば尻の穴までも舐めますというラインです。(省略) 残念ながら日本外務省においては、この流れがとりあえず勝利しています。

 もっとも、近未来にこのような「親米主義」はガタガタになって終わりになると、私は見ています。
 
2番目の潮流は「アジア主義」です。アジアの中の日本を重視すると言う方向で、類型的に分けると、副島さんはこのアジア主義に入ると思います。日本の官僚の中では、韓国大使を経てフランス大使を務めた外務官僚の小倉和夫さんがアジア主義の戦略的な組み立てをしました。(省略)限りなく犯罪から遠い国士の官僚です。

 このアジア主義のポイントは何かと言うと、中国です。「日米軍事同盟」というのは強いものとは喧嘩をしないという観点から必要ですが、それ以上でもそれ以下でもないと考えます。我々は中国との可能性、しかも戦後における中国との関係を間違えて、反中共政策をとってきたのは、冷戦体制の中の過ちだった。そこで、その軌道を修正する形で日中両方の機軸を強化することによって、日本は生き残ると言う考え方です。
 
 ただ私の方から見ると(省略) 

3番目の選択というのが私たちがやろうとして挫折したことです。それは一種の「地政学論」です。あるいは「帝国主義外交」といってもよいでしょう。東西冷戦後のアジア太平洋地域について考えた場合、「日米中露」の関係が重要となります。(省略)

 ところが日露の関係だけは冷え切っていました。この関係を近づけることによって、アジア太平洋における「地政学的な外交」をやっていけないかと考えたのです。一種の「北方同盟」です。日米同盟にロシアを加えることによって中国に対するカウンターバランスを取っていくという発想です。それが3つ目の選択です。私の基本は今もここにあります。(省略)


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 さて、話がそれたので、元に戻す。沖縄基地問題が、アメリカ軍が沖縄に常駐したがっているところからでてきたのが発端と思っていたが、米軍再編で、沖縄から海兵隊を撤退させたがっていることを考えると、真実はどうやら違うようだ。

 日本国内の政治問題に起因するという次の説が、信憑性が高いように思えてならない。

日本の官僚支配と沖縄米軍
 田中 宇 2009年11月15日
▼米国の威を借りて自民党を恫喝した官僚

 私が見るところ、日本政府が米軍を買収してまで駐留し続けてほしいと思ったのは、日本の防衛という戦略的な理由からではない(急襲部隊である海兵隊は日本の防衛に役立っていない)。米国から意地悪されるのが怖かったからでもない(フィリピンの例を見よ)。

 日本政府が米軍を買収していた理由は、実は、日米関係に関わる話ですらなくて、日本国内の政治関係に基づく話である。日本の官僚機構が、日本を支配するための戦略として「日本は対米従属を続けねばならない」と人々に思わせ、そのための象徴として、日本国内(沖縄)に米軍基地が必要だったのである。

 対米従属による日本の国家戦略が形成されたのは、朝鮮戦争後である。1953年の朝鮮戦争停戦後、55年に保守合同で、米国の冷戦体制への協力を党是とした自民党が結成された。経済的には、日本企業が米国から技術を供与されて工業製品を製造し、その輸出先として米国市場が用意されるという経済的な対米従属構造が作られた。財界も対米従属を歓迎した。日本の官僚機構は、これらの日本の対米従属戦略を運営する事務方として機能した。

 この政財官の対米従属構造が壊れかけたのが70年代で、多極主義のニクソン政権が中国との関係改善を模索し、日本では自民党の田中角栄首相がニクソンの意を受けて日中友好に乗り出した。その後の米政界は、多極派と冷戦派(米英中心主義)との暗闘となり、外務省など日本の官僚機構は、日本の対米従属戦略を維持するため冷戦派の片棒を担ぎ、米国の冷戦派が用意したロッキード事件を拡大し、田中角栄を政治的に殺した。

 田中角栄の追放後、自民党は対米従属の冷戦党に戻ったが、外務省など官僚機構は「対米従属をやめようと思うと、角さんみたいに米国に潰されますよ」と言って自民党の政治家を恫喝できるようになった。官僚機構は、日本に対米従属の形をとらせている限り、自民党を恫喝して日本を支配し続けられるようになり、外務省などは対米従属を続けることが最重要課題(省益)となった。

 日本において「米国をどう見るか」という分析権限は外務省が握っている。日本の大学の国際政治の学者には、外務省の息がかかった人物が配置される傾向だ。外務省の解説どおりに記事を書かない記者は外されていく。外務省傘下の人々は「米国は怖い。米国に逆らったら日本はまた破滅だ」「対米従属を続ける限り、日本は安泰だ」「日本独力では、中国や北朝鮮の脅威に対応できない」などという歪曲分析を日本人に信じさせた。米国が日本に対して何を望んでいるかは、すべて外務省を通じて日本側に伝えられ「通訳」をつとめる外務省は、自分たちに都合のいい米国像を日本人に見せることで、日本の国家戦略を操作した。「虎の威を借る狐」の戦略である。

 80年代以降、隠れ多極主義的な傾向を持つ米国側が、日米経済摩擦を引き起こし、日本の製造業を代表して米国と戦わざるを得なくなった通産省(経産省)や、農産物輸入の圧力をかけられて迷惑した農水省などは、日本が対米従属戦略をとり続けることに疑問を呈するようになった。だが外務省は大蔵省(財務省)を巻き込んで、方針転換を許さず、冷戦後も時代遅れの対米従属戦略にしがみつき、巨額の思いやり予算で米軍を買収して日本駐留を続けさせ、自民党を恫喝し続け、官僚支配を維持した。

 官僚機構は、ブリーフィングや情報リークによってマスコミ報道を動かし、国民の善悪観を操作するプロパガンダ機能を握っている。冷戦が終わり、米国のテロ戦争も破綻して、明らかに日本の対米従属が日本の国益に合っていない状態になっているにもかかわらず、日本のマスコミは対米従属をやめたら日本が破滅するかのような価値観で貫かれ、日本人の多くがその非現実的な価値観に染まってしまっている。

 今や日本の財界にとっても、米国市場より中国市場の方が大事であり、対米従属は経済的にも過去の遺物だ。だがこの点も、日本のマスコミではあまり議論検討されていない。外務省などによる価値観操作をともなった対米従属戦略は成功裏に続いている。

 ニクソンは沖縄を日本に返還し、日本の自立をうながしたが、日本の官僚機構は逆に、これを米軍基地の存続のために使った。米軍基地の存在は日本人の反米感情が高めかねないので、日本の中でも本土(やまと)と異なる文化を持つ沖縄に、復帰直前のタイミングで米軍の戦闘要員を移転してもらい、基地を本土から遠ざけ、本土の日本人に対米従属を意識させないようにした。「基地は沖縄だけの問題だ」という固定観念が作られた。


▼官僚支配を終わらせる日米関係の改定

 8月末の総選挙で、日本の政権が自民党から民主党に代わった。民主党政権は、鳩山首相がオバマ大統領の来日に際して何度も「日米同盟は日本にとって最重要」と繰り返し、黒幕の小沢一郎は、元大蔵省次官の斎藤次郎を日本郵政の社長に据え、財務省人脈を重用している。これらのことからは、民主党政権も自民党と同様に、対米従属と官僚支配の構図を変えるつもりがないかのように見える。

 しかし、これらはおそらく上っ面の化粧である。鳩山が「日米同盟重視」をことさら繰り返すのは、対米従属プロパガンダ機構と化しているマスコミからの攻撃を抑えるためだろう。小沢が財務省人脈を重用するのは、官僚機構の資金関係の諸権限を財務省に集中させ、小沢自身が財務省上層部を握ることで、小沢がかねてからやりたかったことをやるための布石だろう。

 小沢は何をしたいのか。私が見るところでは、恩師だった田中角栄を殺した官僚支配に対する仇討ちとしての、官僚機構からの権力剥奪である。個人的な恨みもあるだろうが、それよりも、官僚機構が田中角栄を殺して自民党を恫喝し、対米従属戦略を通じた官僚支配を確立した構造を解体し、日本を官僚主導から政治主導に戻そうとしているのだと考えられる。官僚は選挙で選ばれていないが、政治家は選挙で選ばれるので、官僚支配を破壊して日本を政治主導に戻すことは、日本の民主主義を取り戻すことでもある。

 鳩山政権が掲げているのは「対等な日米関係」「(日中を主軸とする)東アジア共同体」「普天間基地問題は沖縄県民の意志を尊重して決める(すでに県民の総意は県外国外移転で固まっている)」「日米地位協定も見直す」「日本への米軍の核兵器持ち込みについて調査して発表する」「官僚支配を終わらせる」などだ。これら全体を見ると、鳩山政権は対米従属(日本が米国より弱い立場にある日米関係)をやめようとしている観が強い。対米従属の象徴は、不平等な地位協定を含む日米安保条約である。鳩山は、日米安保体制を壊そうとしているという指摘が、すでに米国側から出ている。(A good time to remember the ANZUS alliance's fate)

 日本が対米従属をやめて、日米安保体制も事実上破棄すると、米国の威を借りて日本を支配していた官僚機構の権力が失われてしまう。だから、外務省などはプロパガンダ機能を全開し、マスコミは「オバマは素晴らしいが鳩山はダメだ」といった論調を展開し、鳩山政権を引きずり下ろそうとしている。

 これに対する鳩山政権の対抗策は「基地は要らない」とはっきり言い始めた沖縄県民の盛り上がりが本土に飛び火するのを待つことだ。だから鳩山は「普天間問題の解決には時間がかかる」と言いつつ、のらりくらりしている。これは、単なる私の推測ではない。東京の民主党本部が、沖縄県民に立ち上がってほしいと思っているというメッセージが沖縄の側に伝えられてきたという話を、私は今回の沖縄で聞いた。(沖縄から覚醒する日本)

 普天間問題が解決しないまま時間がたつほど、この問題は「沖縄の問題」から「日本の問題」へと発展し、本土を巻き込んだ議論になる。マスコミも官僚の傀儡から脱しうる。マスコミは、時間稼ぎをする鳩山を非難しているが、これはマスコミが官僚傘下にあることを示す好例だ。本来は「良い機会だからじっくり在日米軍のことを議論しよう」という論調がマスコミに広がっても不思議ではないが、そんなことにならないのは、マスコミがプロパガンダマシンと化しているからだ。のらりくらりと揺れる鳩山政権は支持率が下がるだろうが、自民党はひどく壊滅してしばらく復活しそうもないので、支持率が下がっても政権の再交代にはならない。

 鳩山政権の思惑どおり、普天間の移設問題の議論はまだまだ続くだろう。そのうちに、日米関係そのものが再検討されていくことになりうる。米オバマ政権は隠れ多極主義なので、日本の自立とアジア協調策を歓迎している。日本が不平等な日米同盟を解消できれば、従来より対等な日米の協調関係が結べるだろう(縛りのある「同盟」にはならない)。来年にかけてドルの崩壊感が強まりそうなので、政治と経済の両面で、日本の国家戦略が問い直されていきそうだ。日本の国内情勢を分析することが、国際情勢分析の大事な一つの柱になってきた。

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